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小鹿田焼の小さな火鉢

小鹿田焼の小さな火鉢

2007年1月 副島秀雄
製作地:大分県日田市

小鹿田焼との出会いは、5年くらい前に飛び鉋の平皿に出会ってからでした。大分県出身であることもあり、小鹿田という名前は聞いたことがありましたが、それまで興味を持っていなかったためにどのようなものかも全く知りませんでした。その後、徐々に手仕事の品に興味を持ち始め、小鹿田の器などを中心に、日常で使うようになってきました。しかし、日常で手仕事の器を使っている私にとっても、この火鉢はとても新鮮でした。火鉢自体、今まで接することのなかったものの一つで、使ってみたいという気持ちはあったもののなかなか良いものに出会うことなく過ごしてきました。ある日、小鹿田に伺った時に柳瀬朝夫さんの倉庫にあったものを久野さんがみつけました。始めは火鉢にしてはとても小さいので何に使うのだろうと興味津々でしたが、お寺かどこかからの注文で作られたもので、一人が暖まるのにちょうど良い大きさになっているとのことでした。不思議な出会いでしたがとても気に入り、その火鉢は家に来ることとなったのです。

この火鉢を手に入れたのはまだ夏の暑い時期でしたが、家にもって帰ってすぐにでも使いたい気持ちでした。しかし、夏の暑さにはかなわず冬まで部屋の片隅で過ごす日が続きました。そのうちに徐々に涼しくなり、この火鉢用に久野さんに頼んで五徳を送っていただきました。がっしりとした長い足の五徳です。早速、火鉢に組み込もうとしたそのとき、火鉢の入り口と五徳の輪の大きさがほぼ同じなために、五徳が中に入ってくれません。どうしようかと悩んでいるうち少しずらしてみると、知恵の輪がうまくはまったときのように、スルッと中に入ったのです。その後、この五徳はこの火鉢から抜けることはありません。でも、五徳と火鉢は一体化したかのごとく馴染んでおり、とてもよい雰囲気を醸し出しています。火鉢というとちょっと古くさい印象をお持ちの方も多いかと思いますが、打ち刷毛目の勢いの良いリズミカルな模様が小さなものながらとても良い存在感を示しており、モダンな印象です。現代のインテリアとも相性がよく、お薦めの逸品です。私の家では手足をゆっくりと暖かくしてくれるこの小さな火鉢が、冬にはかかせないものになってきています。