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小鹿田焼のウルカ壷

小鹿田焼のウルカ壷

2007年5月 久野康宏
製作地:大分県日田市

口を合わせて積み上げ、
大きな壷の間に置かれて登り窯で焼かれる。
フタは別にまとめて焼き、
最後に壷の本体と合わせる。
そうした効率的な製法のため、
とても安価に出荷可能なのだとか

 大分県日田(ひた)市の北に「小鹿田(おんだ)皿山」と呼ばれる集落があり、窯元は10軒が手作業で日常の雑器としての焼き物をつくっています。日用使いの器のため、どれも手に入れやすい価格の上、丈夫なために日々の食卓で気兼ねなく使えます。また、小鹿田焼の特徴的な技法、「飛び鉋(かんな)」や「刷毛目(はけめ)」などが施された器は、つくり手の体温が感じ取れる温かみがあり、食事の時間をいっそうと豊かなものへと高めてくれる気がします。

 

 私の家にある、たくさんの小鹿田焼の焼物のなかでも、とくに活躍の場が多いのは、「ウルカ壷」と呼ばれる小さな壷です。かつて日田市の商人がこの壷をオーダーして鮎の塩辛(ウルカ)を入れ、土産品として販売していたそうです。ちょうど一合の容量のため「一合壷」とも呼ばれるとか。

 

 技法と釉薬の組み合わせから、30パターンものバリエーションと、大小のサイズがあり、それらがいずれも気軽に購入できる価格ゆえ、新たなパターンを見かけるたびに求めてきました。というわけで我が家には、ちょっとしたウルカ壷コレクションがあるのですが、キムチ、塩、砂糖、七味唐辛子、煮豆など中身は頻繁に入れ替わり、フル・ローテーションで稼働しています。

 

 たまに空になって一休みすることもありますが、その際もキッチン脇の壁際に飾って、目を楽しませてくれているのです。その活躍の場の広さに感心するとともに、まさに「すこやかな器」の好例といえるのではと思っています。 なお、ウルカ壷については、このホームページの「連載・手仕事レポート」コーナー内、「kuno×kunoの手仕事良品」第1回で、久野恵一さんが詳しく語っていますので、そちらもぜひ目を通してください。

 

釉薬は「白」「飴」「黄」
「黒」「青」「薄青」の6種類。
こうして違う種類を並べて眺めると、
心が浮き立つ
厨房の脇で調味料入れとして
常用している
「洋」のインテリアにも
違和感無くとけこむ