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フォーラムが選ぶ・この逸品

大日窯 格子紋猪口

大日窯 格子紋猪口

2007年9月 副島秀雄
製作地:佐賀県西松浦郡有田町

 そば猪口というと伊万里の物を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。私もそば猪口と聞くと古伊万里の藍と白のコントラストの美しいものを想像します。

 

 この猪口は初期伊万里をベースとして厚みのある丈夫な器に簡潔な絵付けを施した日用雑器をつくっている大日窯で作られているものです。柔らかな釉薬がかけられた器にシンプルな格子模様が施され、普段使いしていて飽きのこない使いやすいものです。こちらは数年前に購入したものですが現在でも先代の意志を継ぎ、若い後継者が熱心に器づくりに励んでいます。

 猪口というとそばを食べるときの猪口として使うことが多いと思います。しかし、猪口というのはもともと祝儀や会席の膳の向付(むこうづけ)として、このわたや酒盗、和え物、酢の物などを盛って出されたものです。そば用の器として使われるようになったのは、寸法の手頃さなどから蕎麦屋が利用しだしたのが始まりで「そば猪口」と呼ばれるようになったのは、明治時代以降とされています。このようにもともと様々な用途で使われていた物なので用途を限定せず使うのはいかがでしょうか。私はお酒のおつまみを入れたりぐい呑み代わりに使ったりと様々に利用しています。

 涼しげな色合いの猪口は夏はもちろん大活躍してくれますが、温かみのある肌合いであるため、秋冬に使ってもしっくりと馴染んでくれる逸品です。