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普段使いの逸品マグカップ

普段使いの逸品マグカップ

2008年1月 北川 周
製作地:大分県日田市

 現代生活に於いて、和洋問わず、いろいろなシーンが同じ土俵に乗って来るのが日常茶飯事です。

物についても、ヨーロッパの物、アメリカの物、アジアの物、中近東の物など世界中の物が手に入れようと思えば手に入り、生活の中に入って来ます。

 

 生活者としての楽しみは、それらのいろいろな物事をコーディネートして、良い時間や良いシーンを造ることではないかと思います。手仕事の良いものを手に入れて使うことは、それを造る一つの良い手立てにもなります。

 

 さて、普段よく使うマグカップですが、マグカップ(mug cup)とは和製英語で、本来は単にマグ(mug)と呼ぶそうです。使い方はコーヒー、お茶、スープなどを入れて使うと言うことになっているようです。

つまり取手付フリーカップとでも言いましょうか、研究社の英和辞典ではmug=ジョッキ型カップになっております。このマグカップ、今では東西の国を問わず全世界に浸透している日常食器の一つではないでしょうか。

 我が家にも幾つかのマグカップがあります。

ほとんど日本の窯のものなので存在感が和を主張します。マグカップの元が洋の物なので、洋食器と並べるシーンになると、何か合わないなあと思うものもあるのですが、単体事態が良い物なのでそれに合った合わせ方をし、あまり気にしません。しかしその中で、これは中々だなあと思うのが、小鹿田の黒木窯のマグカップです。

洋の中に入っても和を主張しながら、違和感なく洋の中に溶け込みます。

 

写真はフィンランド・アラビア社の深皿と小鹿田のマグカップ、アラビア社は1873年北欧フィンランドで誕生した名窯と一般的に言われております。清潔で大胆、そしてモダンが売り物です。スパゲッティなど盛って頂くと美味しく頂ける皿ですが、フランスパンにペーストを付けて、ブランチ用に盛ってみました。小鹿田のマグカップがそのシーンに入って来ても違和感なく使うことができます。

 人によって、マグカップは取手に指が2本入る方が良いとか、4本入る方が良いとか、形は寸胴が良いとか、いろいろとありますが、この小鹿田のマグカップは、私の手で取手に指が一本入り、取手の厚みも、厚くもなく薄くもなく、幅も、広くもなく狭くもなく、ちょうど良い感じで、形は寸胴ではなく下に向かって少し傾斜が付いており、口より底の直径がやや狭くなっております。

 

 カップの傾斜の付き方と取手の大きさのバランスも良く、それに釉薬の黒をバックにストライプの釉薬の流しが、歌舞伎の緞帳を少し思わせるシャレた色とデザインになっております。(釉薬が白バックの物もあります。)口の内側に釉薬が少し流れている感じも良いです。

 使われている方は、けっこういるかも知れませんが、重厚さの中に軽い感覚が感じ取れるこのマグカップは、普段使いの逸品の一つではないでしょうか、これは使い手だけが感じ取れるヘビー&ライトな良さなのかも知れません。(因みに写真のマグカップは黒木昌伸氏の手仕事です。)