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水俣のおしめ籠

水俣のおしめ籠

2010年3月 市川聖久
製作地:熊本県水俣

製作者:柏木芳雄さん

 熊本県水俣の柏木芳雄さんの手による「おしめ籠」をご紹介します。
このおしめ籠、現地の言葉では「おしめメゴ」と言います。元々は同県の山鹿温泉で作られていた洗濯籠、その作り手が出来なくなってしまったために水俣へ注文したものだそうです。

山鹿の洗濯籠は編み目が密、そして上げ底であったそうですが、こちらの水俣の品は六つ目(これは関東地方の呼び方で九州では目と呼ぶ)、このような編み方は九州では稀だそうです。この目の揃い具合も見所の一つ。

その他、随所に丁寧な仕事が見て取れます。節の部分は衣類が引っかからないよう取り除かれていますし、縁もしっかりと巻いてあります。竹の編組品では縁から痛んでくるものが多いため、とても大切な部分です。

底はこの様に六角形。小さな六角形が大きな六角形を形成しており、編み方によって必然的に整然とした形が生み出されています。このように底は六角形ですが口は円形。自然な形の変化にも注目です。三本入れられた補強材も綺麗に面取りが施されています。

そして全体と足とのバランスの良さ。中に入れるであろう物の重みを考慮して大きめにされているのです。足の中央に穴が開けられているのは、水が溜まらないようにする為。

持ち手は部分によって最適な厚みになるよう調整されています。実際、手に持ってみると何ともしっくりくるのでした。素材の真竹の選択は勿論のこと、全てに丁寧な仕事のなされた逸品と言えるでしょう。

未だ青い内は近寄ると竹の良い香りがしてきます。やがて青竹色は淡褐色へと変わり、時と共に味わい深い色になっていくことでしょう。