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永見窯 リーチポタリーモチーフのマグカップ

永見窯 リーチポタリーモチーフのマグカップ

2012年1月 鶴見朋之
製作地:島根県三刀屋町

もやい工藝で開催されていた40周年の記念展示で購入したものをご紹介したいと思います。
久野さんと作り手の強い絆が生んだオリジナルの商品の数々、どれもがとても魅力ある商品で、目移りするというレベルを雄に超えていましたが、まず私が購入したのはこのマグカップでした。

島根県永見窯のマグカップです。
今までも何回か注文されており、久しぶりに今回の会で店頭に並んだとのことです。

写真では分かりにくいのですが、口の部分にいくにつれ、若干すぼまった形になっており、それがとても愛らしい表情を生み出しています。

本当に魅力的な商品が多い中、私がこれを選んだのには理由がありました。

ディスカバージャパンで掲載されていた久野さん所有のリーチポタリーのマグカップ。

日本民藝館学芸主任であった佐々木潤一さんが久野さんのお子さんが生まれた時に贈ってくれた品とのこと。

これを見た時から憧れのマグカップとして頭に焼き付いており、今回の会でこの永見窯のマグカップを見た瞬間に、久野さんがリーチポタリーのマグカップをモチーフに注文されたのだと察することができました。

永見窯は島根県雲南市にある窯です。

作り手である永見克久さんは効率優先の安易な仕事を避け、薪の単窯にこだわり、陶土も釉薬も島根県のものを用いて誠実でまっすぐな仕事を実現されています。

そのもの作りには華やかで個性的な要素はありませんが、誠実で頼りがいのある生活の道具として、そしていつでも傍らに置いておきたい暖かさを兼ね備えています。

特徴的な永見窯特有の鉄分を多く含んだ黒味がちの陶土。

そのざらついた質感が存分に活かされながら、けっして力強すぎない佇まい。

 

また、上下部分に施されたラインは指先の引っ掛かりを導き、カップ自体をとても持ちやすくしてくれている優れた意匠として機能しています。

持ち手の力強くも誠実な仕上げ。

また上下部分に施されたラインがあるだけで、指先が引っ掛かりとても持ちやすい

永見窯の器は、極めて健全な日本の手仕事であると同時にイギリスの民陶に通ずるような、海を越えた普遍的な健全さを感じます。

これからも末永く愛用していきたいマグカップです。