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松田共司さんのカップアンドソーサー

松田共司さんのカップアンドソーサー

2012年2月 高梨武晃
製作地:沖縄県読谷村

今年の一月久野さんの取材に同行し沖縄を訪ねました。

その時共司さんから直接譲って頂いたのがこのカップアンドソーサーです。

この出会いは私の器に対する見方の指針になると言っても過言ではない、素晴らしいものになりました。

見て下さいこの形。

泰然自若な姿。

何も狙っていない、若しくは狙っていたものが数多の物を挽くうちに出て来た形。

その自然な佇まいには高貴ささえ漂います。

実際使ってみるとまずその口当たりの良さに驚かされます。

緩く湾曲したカップの縁は唇を優しく受け止め、口を着ける度に味わえる喜び。

そして高台に向けて落ち着くための胴。

膨らんでいるのかいないのか、その微妙なライン。

このカーブにグッと来て心を奪われました。

沖縄の陶器というとつい大胆な絵付けや独特な形に目が行きがちです。

こうしてごく自然な、当たり前の器を見るとそれを受け止めるだけの形を生み出せる共司さんの技術、訓練度に気付かされます。

先日壺屋を歩いた時に見た、今では沖縄陶器の定番になった浜田型の湯呑み。

縁から胴にかけてのカーブが不自然に思われました。

まるでデフォルメしたかのような意識の強いものが多いのです。

日頃、勉強会などでも訓練度の話は良く出て来ます。

数を作ることの重要さ。

それが無心を連れて来て、形となって現れる。

それを雄弁に語ってくれる一品ですので、座右に置き私の師としたい逸品です。