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フォーラムが選ぶ・この逸品

松田共司さんの新作湯呑み

松田共司さんの新作湯呑み

2012年7月 久野康宏
製作地:沖縄県読谷村

松田共司さんの新作湯呑み

先日、鎌倉「もやい工藝」を訪れた際、目にした瞬間にストライプの文様と、青と緑の釉薬がにじみ出る風情に惹かれ、欲しくてたまらなくなって求めた湯呑みです。

 

つくり手は沖縄・読谷村、北窯の松田共司さん。久野恵一さんによれば、金城次郎さんではない、琉球古典の焼き物をモチーフに制作依頼した一連の新作製品のひとつだとか。日本民藝館、沖縄県立博物館、壺屋博物館、沖縄の骨董店などで目にした古作文様を今の器に施してみようと考えたそう。

 

この湯呑みは、対瓶(ついびん)という、お墓に立てる花入れによく施される線の独楽文様を参考にしたとか。コバルトと青(オオグスヤーと呼ぶ緑釉)を交互に掛けて、さらに線描きを中に入れていった物。対瓶は仏様の前に出す物のため、本来は地味な感じなのに、共司さんが手がけると、とても明るい雰囲気になるのが不思議です。

 

その明るい調子と、釉薬が泣く(暴れる)文様は予想外の仕上がりだったと久野恵一さんはいいます。意図しない物ができてしまうあたりが、沖縄のやちむんらしさ、登り窯のおもしろさを表しているのではないでしょうか。

 

共司さんのよく反る手のひらをそのまま映したかのような、口の反りと高い高台の造形は手に取り、眺めていると、心地よさを覚えます。比較的気軽に入手できることから我が家の台所の棚には、少しずつ民窯の湯呑みが増えています。それらの中でも際立った逸品に出合えた嬉しさから、お茶やコーヒー、またはワインなど、さまざまな飲み物を容れて、休日のひとときを楽しんでいます。