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沖縄の按瓶

沖縄の按瓶

2012年11月 坂本光司
製作地:沖縄県読谷村

富山市八尾の桂樹舎 民族工藝館での「更に日本の民芸展」で手に入れた沖縄の按瓶(アンビン)です。
つくり手は沖縄県読谷村、北窯の松田共司さん。
民族工藝館の入口に堂々と展示されていて、一目惚れしました。

按瓶は、「按」という字から、按司という役職についていた身分の高い人達が、集まりなどで茶や水を入れるための器で、酒をふるまうときにも使われたものです。
普通、土瓶には耳がついていて、その穴に蔓をひっかけて使いますが、沖縄では深い森林地帯がなく蔓が採れないので、持ち手も土でつくって土瓶につけています。
しかし、焼き上がった時に収縮率の違いで持ち手が取れやすいので、釉薬を掛けた後にもう一回付け根に釉薬を掛けます。
自然との関わりから制約ができ、実用から工夫をし、結果、美が生まれるのは不思議です。

丸紋も沖縄の伝統で、球体に釉薬が円形に付着することで生まれる模様です。
土瓶を持って、その側面をバケツや甕に溜めた泥水状の釉薬に漬けると、円形がそのまま残るという非常に単純な釉薬の掛け方です。
単純だからこその素朴さ、力強さ、そして美しさを感じます。
また、出西窯を代表する丸紋土瓶は陰山善一さん、72歳の手によるもので、陰山さんが20代の頃、沖縄に行き、金城次郎さんの工房で学んだときに得た模様で、出西窯に戻って出西的な文様として定着したとのことだそうです。

沖縄の伝統を守る、優れたつくり手による逸品を、推薦いたします。