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手仕事調査:北陸・甲信越地方

こつら細工

こつら細工

2004年4月2日
訪問地:石川県石川郡鶴来町

「コツラソウケ※を見て、自分でも編めればいいな、とずっと思っとった」
いつの間にかコツラ細工でいっぱいになった作業部屋の中で、又喜幸さん(84)は言いました。

 コツラ細工を始めたのは14年前。鶴来町の隣河内村の商工会議所でコツラ細工の講習会があるという新聞広告を見て、申し込んだことが始まりです。若い頃鉄工所で働いていた又さんは、初めの頃は材料を採りに行ってもコツラの木がわからないし、うまく製作できないことも多かったようです。しかし、運転免許を60歳を過ぎて取ったという程バイタリティーに溢れる又さん。わからないことがあるたびに、昔からコツラ細工をしている先輩に質問をして、少しずつ材料のコツラ採りもコツラ細工もできるようになりました。
 今ではベテランとなった又さんの作るソウケは、縁が太くしっかりと編まれています。縁のカーブには力強い網目が整然と並び、その様子は見て美しく、また手に持っても不安定さが無く、しっかり掴むことができます。
 河内村では今も冬には月一回講習会を開いていますが、材料採りも自分でやろうとする人はなかなか出てこないようです。一口に「コツラ細工」と言っても、材料がなければ細工もできません。この美しい手仕事をつないでいくということは、指先の細工のみならず、四季を通したコツラのありようを伝え、また、自然の中で生きるコツラの木と向き合っていくことなのだと改めて感じました。

手仕事フォーラム会員 武井治美

※コツラソウケ・・・コツラ(マタタビ)の木のつるで編んだ「米あげ」のざる。