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手仕事調査:北陸・甲信越地方

加賀雁皮紙

加賀雁皮紙

2004年4月2日
訪問地:石川県能美郡川北町中島

 200年以上の歴史をもつ加賀雁皮紙。それを今に伝えるただ一軒の紙漉「加藤和紙」は、たゆまぬ工夫で新たな加工製品を創出し、時流のなかで果敢に挑戦し続ける工房でもあります。なかでも、柿渋を使った製品にスグレモノあり。

 加藤瞳さん以下、加藤和紙の紙漉はすべてが女性の仕事だそうです。新製品の開発はお嬢さんで、加工品も自ら作り、営業で全国を廻り、伝統を現代につなげようと奔走している様子でした。
 ショールームと化した座敷に並んだ各種製品を説明をする加藤さんの熱弁に圧倒されつつ、目を引いたのが柿渋を施した雁皮紙のバッグや財布。そして座敷に広げられた大小さまざまな敷物。その深い色合いと自然な光沢が紙の新たな存在感を引き出しています。柿渋は自家製で、それも経費節減のため。和紙を取り巻く環境の厳しさを知り尽くした加藤さんの、このあくまでも前向きな仕事ぶりが、あるいは手仕事の一つの方向ではあるかも知れません。
 裏の建物で、石臼に入れた雁皮が杵でゴトンゴトンと叩解されていました。ゴットンゴットン……動力こそモーターですが、時間を超越した手仕事の快いリズムが加藤家の広い屋敷に響き、庭の三椏が満開でした。

手仕事フォーラム 大橋正芳