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手仕事調査:九州地方

肥南国宮崎の杞柳細工復活への道

南国宮崎の杞柳細工復活への道

2013年4月8日
訪問地:宮崎県宮崎市

宮崎市郊外の生目地区では、かつて杞柳細工が盛んでした。

杞柳細工を盛んにしたのは何とこの私、約20年に渡って宮崎市を代表する民藝品として有名にはなりましたが、婦人会の一環として始まったこともあって、後継者育成がなされず、高齢化で途絶えてしまいました。僅か一人の老婦人、安井佐智子さんと年賀状のやり取りくらいでしたが、一昨年突然この地域の伝導牧師さんから連絡があり、安井さんが入信したことで、昔杞柳細工をされていて、私に大変お世話になったことを知ったのだそうです。

牧師さんは以前、読谷北窯の米司工房にいて、私の存在をよく知っており、私と親しい共司君と奥さんが敬虔なクリスチャンということもあり入信し牧師になり、この地域の教区の担当となったそうです。その影響からか、ものづくりに取り組みこの杞柳細工を再興しようという話を持ち上げたのでした。それで、私に要請があり早速一昨年の暮れに伺い、その方向について話をし、次までの間に1人でやれる仕事でないので、牧師さんを中心として仲間を集うようお願いしたところ、お二人が参加し、4人で安井さんのお宅の仕事場を借りながら週3回ほど集まって訓練しているとのこと。12月伺ったときには安井さん、牧師の野中さんに会え、それまでにつくったものを見せてもらいましたが、昔と遜色のないものが出来ていました。

今回出来ていた小カゴ

ところで肝心の材料ですが、用いる杞柳は減反した田んぼで栽培されるため、昔から採っていた材料で編んだのだそうです。わずかにできたこのカゴの中でも出来の良い2つをいただき今回グラフィック社「民藝の教科書C」でカゴザルを扱うため、あえて未来への希望ということで、この仕事に取り組む人たちを紹介しようと考えたのでした。

今回は4名全員集まり、皆様方のそれぞれの仕事ぶりを見せてくれました。安井さんが皆さんを指導しながらですが、もっとも一生懸命とりくんでいたのが牧師さんの野中氏です。あと2人は訓練中。出来上がった小物類を見ると少しづつよくなっており、3月にはまともな仕事になっているのではと期待しています。私がこれまで持っていた杞柳製品をこのたび見本として持ってきましたが、まだまだこのような仕事は無理とのことはわかります。

愛用していたかっての製品

私の見本品

このような仕事を皆さんに目標にしてほしいと。やがて紹介出来るようになることを期待しております。

 

手仕事フォーラム 久野恵一