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手仕事調査:九州地方

九州の旅 後編

九州の旅 後編

2015年12月
訪問地:大分県日田市、福岡県東峰村、朝倉市

(つづき)

3.大分県(小鹿田焼)
小鹿田に行く前日、日田の町に泊まった。小鹿田には宿は一軒しかないが、日田にはいくつか宿がある。

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さすが日田の宿で、旅館内にも小鹿田焼きが置いてある。器を見ていると宿の従業員に近くの小鹿田焼専門店を紹介いただき伺うことに。日田の町には2店舗小鹿田焼専門店があるそうで、翌日窯元へいったが窯元よりも品ぞろえがよく、寄れてよかった。
小鹿田へ行くとき、福岡からは日田を経由すると遠まわりかと思えるが、日田経由が最も交通の便がいい。日田までは高速道路もあり、日田から小鹿田までの道は整備されている。。

小鹿田焼陶芸館 リーチが絵付けされた器など小鹿田の昔からの資料が見られる。受付の方に伺うと、ここに駐車して町をあるいてよいとのこと。早速唐臼の音が聞こえてくる。

小鹿田共同窯 いくつかの窯元を回って気付いたが、私が小鹿田に訪れた日はたまたま共同窯の窯焼きの日であった。夜は窯焼きを拝見する機会に恵まれた

山のそば茶屋。 小鹿田唯一の飲食店で宿も営んでいる。旅先で出会った方に次のように言われたこともあって、小鹿田では一泊したいなと思っていた。「小鹿田に行くなら、ただ窯元をみて回るだけでなくそこに泊まると良い。小鹿田の雰囲気を味わえる。きっと唐臼の音で夜寝られないだろうが」
ここの宿は一組までしか宿泊できないようで、その日は先約も入っていたが、ひょんなことから先約を入れていた方と仲良くなり泊めさせていただけることになった。この方は考古学専攻の学生であり、小鹿田をテーマに卒業論文を書かれていた。手仕事フォーラムについても興味をお持ちであった。卒業後は唐津で調査員として働かれるそうで、ぜひ今後手仕事フォーラムにも関わっていただきたいなと思う。

(写真は熊本の民藝店でいただいたコーヒー・坂本茂木さんの器)
黒木昌伸さんに紹介いただき、先の学生と私とを坂本茂木さんに会わせて下さることになった。リーチのお世話役をされていた時の話、器の形、卒論のテーマについてなど、お昼からお酒を交わしながら、坂本茂木さんだからこそ知る古くからの話をたくさん拝聴した。

夜、人生初めて窯焼きを拝見した。とても神聖な空気感があった。邪魔にならない程度に黒木富雄さん、昌伸さん、坂本琢磨さんにお話を伺いながら、そのシンと澄み渡った夜を過ごした。実際、外は寒いのだが、窯場付近は火で温かく居心地がいい。本に出てくるような焼け具合や色見確認する様などを自分も体感できたのはなによりもわくわくした。

そのうち宿に戻って、ぐっすり眠った。唐臼の音は気になったが、旅の疲れの方が勝った。

4.福岡県(太田哲三・圭窯、太田潤手吹き硝子工房、秋月)
未だ共同窯の窯焼きが行われている早朝、まさに後ろ髪を引かれる思いを抱きつつ小石原焼の福岡へ。山越えルートで小石原焼伝統産業会館、太田哲三・圭窯と太田潤手吹き硝子工房へ向かう。

小石原焼伝統産業会館。太田熊雄さんの器も置かれている。登り窯見本も屋外にあり、小石原の歴史を体感するのにとても勉強になる場所だと思った。実際太田哲三さんの話では、福岡県の小学生は皆この小石原焼伝統産業会館へ見学に訪れるらしく、私が行った時も小学生が団体で訪れていた。小鹿田で出会った学生が持っていた資料にあった古い窯場道具の現物がみられたのがとても興味深かった。

小石原焼 太田哲三・圭窯 参考:http://teshigoto.jp/serial_report/kuno/vol21.html
帰りの飛行機までそんなに時間がなかったがすっかり長居してしまった。そのくらい居心地が良く、離れていたくないような場所であった。
縁に返しがあるカレー皿を買った。その器は太田哲三さんも普段使わているようで、掬ったときにルーが逃げていかないのが良いそう。実際使ってみるとその通りでとても使いやすい。
本人にはお会いできなかったが、太田潤手吹き硝子工房へも寄った。とてもぼてっとした自分好みなコップが置かれていて、一目ぼれのうえ、買った。

秋月 副島さんのいらっしゃる秋月へ。
短期間の旅であったが、回ってきた陶工の器たちが集結しており、とても感慨深くなってしまった。久野さんが手仕事フォーラムの発信地として選んだこの場所。建物は特に一見の価値があるため、まだ行かれていない方はいらっしゃることをおすすめする。

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最後に、
本旅で関わりましたみなさまにこの場をお借りしお礼申し上げます。
なにより、久野さんの築かれてきた作り手との関係性があったからこそ、素晴らしい旅になったと思います。また、今回の旅の前に源野さんにおすすめの場所をここでは紹介しきれないくらいたくさん(それもとても詳細に!)教えていただきました。本当にありがとうございました。今回入手した器を通じ私なりに手仕事の良さを広めることで、手仕事フォーラムの発展に寄与し恩返ししていきたいなと思います。
年中旅をされていた久野さんを思うと、小さな小さな旅なのですが、九州の美しい手仕事が生まれる場所の一端をこの目で見て体感できたのはとてもありがたいことでした。特に一番長い時間を過ごした小鹿田では、はっとさせられることがあまりにも多かったです。時間の関係で今回行けなかった地域含め、また民藝の教科書片手にふらっと旅をしていきたい。

 

手仕事フォーラム 高木良樹