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手仕事調査:東北地方

肥料ふりカゴ

肥料ふりカゴ

2010年10月5日
訪問地:宮城県仙台郊外

「宮城・鳴子手仕事フォーラム2010」が終了した翌日、久野さんに同行させていただき美しい七つ森の景色を見ながら仙台郊外にある肥料ふりカゴの作り手である佐藤さん宅を目指しました。
到着するとどうぞ上がりなさいとご自宅へ招いてくださり、前日にとったと言うキノコなどをたくさんごちそうしてくださいました。
普段見ることのない様々なキノコ類に驚くとともに美味しくいただきました。

快く迎え入れてくれた佐藤さんは昭和11年生まれの74歳。
出していただいた地元の食材を使った様々な料理

現在でも佐藤さんは実際に山に入って材料をとっているそうです。

それぞれ役割分担があり、材料取りと麻ひもをつけるのは佐藤さんがおこない、奥様が編んでいます。

製作途中の編み組みされた本体部分を見せてくださる佐藤さんの奥様

肥料ふりカゴは様々な材料を組み合わせて作られています。
竹は篠竹系のものを使います。10月くらいから採取始めるそうです。
竹の質が良いことから富谷というところまで採りに行きます。
その竹に挟まれている桜の皮は7月〜8月いっぱいまで採取されます。若い木の方が良い材料がとれるとのこと。作業場にはロール状になった桜の皮がたくさん保管されていました。
その他、カゴに渡されている木の柄は杉の枝を使っています。ちょうど良い太さの枝を長さを切りそろえて保管されていました。縁などを止めている麻は昔はフジを紡いで作られていたそうです。

ご自宅の脇に置かれている柄になる切りそろえられた杉の枝
様々な材料が置かれている作業場

肥料ふりカゴは元々は農作業における肥料を撒く為のカゴです。
片手で持ちこのカゴに肥料を入れて農地を横に振りながら肥料を撒く為にカゴの両脇に柄を渡しています。
また、肥料がこぼれないよう桜の皮を本体に巻き、それを笹竹系の篠竹でしっかりと編み込み、更に空いた部分を麻糸を組み入れて漏れないよう補強してあります。
箕をつくるときに使われる立ち上がりの技術を使ってこのかたちがつくられています。
深く四角い造形と強い桜皮、強い粘性のある笹竹、更に瑞々しい木の棒を用いたこのカゴはマガジンラックやスリッパ入れ、小物整理用のカゴなどとして様々な需要に応えてくれます。

 

手仕事フォーラム 副島秀雄

佐藤さん夫婦
作業場に積まれた大小さまざまな種類が作られる肥料ふりカゴ