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ふだん使いの“薩摩の白もん”

白もん作りの名門による挑戦から生まれたうつわ

「白もん」とは、白い薩摩焼のこと。そう聞くと、絢爛豪華な絵付けの壺や香炉を思い浮かべるかもしれません。色絵錦手と呼ばれる白もんは、幕末から明治にかけてヨーロッパの博覧会などで一世を風靡し、「SATSUMA」として名を馳せました。当時の隆盛を支えた陶工のひとりが、戦国時代に朝鮮半島から連行された技術者たちにより薩摩焼が創始されて以来の歴史をもつ沈家の十二代・沈壽官さんでした。島津藩御用達だった高級陶器の白もんを代々手掛けてきた沈壽官窯では、手仕事によるうつわ作りの高度な技術が脈々と受け継がれています。その技術をもとに、“白もん=高級品/観賞品”という枠組みをいったん取り払ってみると、清らかな白い薩摩焼は日常の中で新たな輝きを放つのではないか─ そんなひらめきと挑戦から、新たなふだん使いのうつわが誕生しました。

目指したのは現代の暮らしになじむ新しい薩摩焼

白もんの美しさの秘密は、「陶土」と「貫入」にあります。白い陶土に透明釉をかけて窯に入れると、焼きあがったうつわには、素地と釉薬の収縮率の違いにより貫入(ひび)が生じます。この貫入は非常に微細で、あたたかみのある白色の陶土を輝かせ、美しい乳白色の「白もん」が生まれます。
この白もんが放つ美しさを「ふだん使い」に取り入れることを考えたのが、手仕事フォーラム創設者の故・久野恵一です。暮らしに寄り添う新しい白もんを作り、薩摩焼、さらには日本の手仕事文化の 素晴らしさを広く世間に知ってもらいたいという久野の思いに沈壽官窯当代の十五代沈壽官さんが応じ、久野自らの目で選んた古作などを見本に、製作がスタート。残念ながら志半ばで急逝しますが、プロジェクトは引き継がれました。
そして、新たな白もんが誕生しました。
あえて絵付けは施さず、形の良さと、白もんの上質な土肌を感じることができます。また、陶土には通常の白もんを製作するときに出る屑土(本来は捨てている土)を用いることで、土のあたたかみをより感じられる風合いが生まれました。簡素ながらもあたたかみがあり、料理や食材を引き立て、毎日の食卓で活躍するうつわです。

沈壽官窯

豊臣秀吉による朝鮮出兵の際、朝鮮半島から連行された陶工にルーツをもち、美山(鹿児島県日置市)の地で400年にわたり薩摩焼を守り続けてきた窯元。幕末期の薩摩藩官窯の工長であり、その高度な細工技術により薩摩焼を一躍海外諸国に知らしめた十二代沈壽官は、いわば中興の祖。以来、沈家の当主は「壽官」の名を代々襲名するように。現在は十五代が当主を務め、高い彫刻・絵付技術を駆使した茶器・花器・置物などを数多く生み出し、内外から注目されている。
http://www.chin-jukan.co.jp/

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