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伊予だより

春の宇和海〜石垣の里・外泊へ〜

2014年3月5日
語り手:門田真記子(手仕事フォーラム会員)

先月広島での展示のお手伝いに伺った時、久野さんが
「四国の西海岸、足摺から宇和島までの景色は素晴らしい。外泊(そとどまり)も良いところなんだよ」と話されていました。
外泊とは、宇和海に突き出した愛南町西海地区にある、
石垣に囲まれた小さな集落です。

まだ幼い頃、外泊の手前にある中泊(なかどまり)という集落の民宿に
家族で泊まった思い出があり、急に懐かしくなったのでドライブがてら外泊へ行ってみました。

 

宇和島よりさらに南へ約1時間、愛南町の中心部から半島へ向かって車を走らせます。
ハマチや真鯛、真珠などの養殖がさかんな宇和海では、養殖いかだがあちらこちらで見られます。
複雑に入り組んだ海岸と、穏やかな海を眺めながら
内泊・中泊の集落を抜けて半島の先にある外泊へ。

 

外泊の集落は、山を切り崩し、海へ向かってひな壇のように石垣が組まれ、
一件一件の家を覆い囲んでいます。海からの強風や塩害から家屋を守るために建設されたのだそうです。

 

 

大小様々な石が丁寧に積み上げられていて
遠くから見ても近くで見ても、とても美しい光景です。

 

 

上の方まで上がると家屋はなくなり、その先は段々畑になっていました。

 

下の休憩所で資料を見ると、明治12年に中泊地区からの分家政策によって外泊が建設されたとありました。
当時は46戸198人、2012年は43戸93人の方が暮らしているそうです。

 

家の外壁は新しいものになってはいますが、戸数はあまり変わらないので
昔からこの景色は変わらないのかなと思いました。

 

昔は海側に台所を作っていて、妻が炊事をしながら漁に出かけた夫の様子を
見るためでもあったそうです。もちろん身を案じてのことでしょう。

 

それにしても急な坂道。迷路のような石畳は子供の恰好の遊び場になりそうです。
下から地元のおばあさんが
「たいぎい(しんどいの意味)、たいぎい」と言いながら上がって来られました。
手に持ったナイロン袋には新鮮そうなお魚が。
写真を撮るために石畳を上がったり下りたりしていると、少し童心に戻った気がしました。

石垣の里の目前は穏やかな宇和海が広がっています。港から海をのぞいて
その透明度に驚きました。まるで硝子のような海の色でした。