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伊予だより

愛媛の竹細工@

2017年11月19日
語り手:門田真記子(手仕事フォーラム会員)

 

以前から竹を採るところを見てみたいと思っていて、松山で竹細工をしている
西原さんにお願いして同行させていただきました。10月半ばを過ぎた頃でした。
竹を伐るのはだいたい9月から12月の間までの虫がつきにくい時期です。

 

伐採する竹は表面の状態を見ます。竹材に適しているのは4年くらいの竹で、
見ると節が黒く変色しています。若い竹は節がまだ白く、根元にはまだたけのこ
の皮が巻きついていたりします。径の太いものが年数の経っている竹なのかと
思っていましたがそうではなく、タケノコの大きさがそのまま竹の径になって
それ以上径は太らないことを知りました。

 

西原さんは今、県内約6ヶ所の竹林で真竹を採っています。主に南予地方に
真竹が多く、中予(松山)は孟宗竹が多いけれど、孟宗竹は径が太すぎて伐るのが
大変、淡竹は速乾性があって良いけど割れやすいのが難点。真竹が一番弾力があり
しなやかで竹細工に適しています。愛媛は真竹が多いので竹細工にも適した
環境ですが、昔からの実用的な竹細工作りをされている方はいらっしゃらない
のではないかと思います。松山では昔、道後温泉や石手寺あたりに竹細工屋さんが
軒を連ねていたそうです。西原さんは30代、大分で竹細工を学びこの世界に
入られました。竹林の持ち主の方からは整備も兼ねて無料で伐り出させて
もらっているそうです。

 

手付かずの竹林ではまず伐った竹を運び出す道を作ることから始まります。
真竹の竹林には他の木も生えているものの、竹との成長競争に負けて
枯れて倒れてしまっていました。これが竹を伐りだすのに邪魔をして
厄介なのだとか。運び出しやすいところに車を停められる
ことも重要です。3.5〜4mの長さに伐った竹を約20本で軽トラ1台分。
竹細工の盛んな地域では竹を伐るだけの業者もあるそうですが、大変な仕事
なので人手不足だと聞きました。西原さんは自ら製品も作っているので良い
竹に出会うと嬉しいし、その後の作ることの楽しみも湧いてくるから苦でないそうです。

良い竹とは径があまり太くなく節と節の間隔があってすくっと
真っ直ぐ伸びた竹。日に当たっているのもよくないので一本一本竹の状態を
見て良質なものだけを選んで伐っていきます。重労働であることはもちろん
ですがさらにはやぶ蚊との戦い、暖かい時期はマダニもマムシも巨大な青ミミズも。

大変な作業の先には作る楽しさと、それを手にとって喜んでくれる人がいる
ことが大切なことだと思います。西原さんは今後仲間を増やして愛媛の竹細工
を広めていきたいと考えています。