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自分の体より大きな鮪(マグロ)を買いました

自分の体より大きな鮪(マグロ)を買いました

2007年8月27日
語り手:阿部一郎

鳥取に全国的にも有名な港、境港が犬(鳥取県)のしっぽの先のところにあります。例の北朝鮮の船が日本で一番多く立ち寄る港です。ただこの1〜2年、北朝鮮からの紅ずわいがかつての10分の1以下、又はまったく止められ、加工業者は死活問題になっています。
かつての境港は紅ズワイ、いか、イワシ、サバ、アジ等の大衆魚が中心で、漁獲高では日本一、売上では5〜7番といった感じだったのですが、この10年、日本海で本まぐろが年間何千本も大漁に獲れるのです。だから今、境港は日本でも焼津と1〜2を競う鮪の拠点となりました。その事は漁業関係者にとっては久しぶりに明るい材料となりました。

さて、お盆の刺身用に80kg超の境港産本まぐろを仕入れました。この時期の本まぐろは数が少ないので、地や黒門市場でもけっこう高値で取引されているそうです。冬場のまぐろより脂ののりは少ないように思いますが、遠洋とちがって近海なのでなにせ生が売りです。さすがにたくみだけではさばき切れないので、知り合いの寿司屋に声をかけて半分くらいはそちらで引き取ってもらいました。
初めて一本丸々の鮪をさばきましたが、これがなかなか手間取って…

まな板にも乗らない大きさで、しかも大刀の鮪用庖丁も無いので、一番大きな牛刀で少しずつさばきましたが、容易ではありませんでした。
魚をおろすというよりも大木をさばいているといった感じです。実際木目のような節目があり、頭と尾をはずし、内臓を取りのぞき、骨から身をはずしていき、それをていねいにていねいに長方形の羊羹型にさく取りしていく様子はまるで木材加工の工程をこなしていく大工の職人さんになった気分です。
そして写真ですが、その鮪の頭の部分です。この頭とかまの部分を出刃包丁で分断して焼いたり煮たりしてばんざいとして食べました。それと中おちといって骨に付いている身をスプーン等でほぜって(それでもこれだけ大きいと丼2杯くらいは取れる)細かくたたいて、ねぎ、大葉、紅たで等の薬味とわさびをまぜて、温かいごはんの上にのせ、醤油をタラッとかけて食べるとこれが実に…うまい!
見た目にあまり良くないのでお客様にはなかなか出せませんが、大きな目のまわりのゼラチンとその外側の目を動かす筋肉が絶品です。ドロッとゼラチン状の食感と固い様だけど歯で噛むと柔らかく、口の中でファサファサとくだけ旨味成分がドロリと出る感じ、たまりませんね。
美味しいのは良かったけど仕入れ原価が高い分、さばき切れましたが、全然もうかりませんでした。9月に入ると店もヒマな時期になってしまいますし、お先、マッグロなんちゃって…