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竹の子土佐煮と若竹椀

竹の子土佐煮と若竹椀

2008年5月8日
語り手:阿部一郎

緑まばゆいこの季節、吹き渡る風にも春の香り…というよりも初夏の力強ささえ感じ、沖縄では五月の風(うりずん)吹き抜けるこの時期は一番すごしやすい季節の様です。ここ鳥取でも野山の緑達は、すべてが活き活きと輝いて生命(いのち)の躍動感が感じられます。

この季節の代表と云えばやはり竹の子です。

出始めは3月頃に宮崎や熊本からで、小さい10cmくらいのものが500円くらいしてかなり高価ものです。これが桜前線といっしょでゆっくり北上してゆき、鳥取の地のものが出始めるのが4月中旬以降で今が真盛りです。つまり一番安くて大きくて、香りも強く、俗に云う旬で、一山いくらの世界です。この頃はどこの料理屋でも居酒屋でもお通しか、一品料理、又は吸い物等必ず何かに形ででてきますが、一年の内で、一番美味しく生で手に入るのは、この時期3週間くらいの間なので納得いきます。

今回の料理は竹の子料理代表格二品です。特に土佐煮は竹の子をざく切りにしてたくさん使う、ダイナミックで男性的な料理です。お酒とみりんと濃口醤油で強火で一気に煮上げていきます。仕上げに片手にたっぷりのカツオ節と木の芽をかけると竹の子の熱気にあおられて、カツオ節がゆらゆら踊り、木の芽が鼻の奥まで刺すように香ります。

一方若竹椀は女性的で繊細なお吸い物で香りと風味が決めてです。昆布を前日から真水につけておき沸騰寸前に取り出し、できるだけ新しい(けずってからすぐの)カツオ節をたっぷりいれて沸騰直後、カツオ節が鍋の中を天女の羽衣の様にゆったり回る状態の弱火で2〜3分煮だして、こしていきます。

それに塩と薄口醤油で控えめに味付けして、あらかじめ茹でておいた竹の子を入れ前もって温めておいたお椀の中に生の新鮮な若メを入れその中に熱々の竹の子と汁を入れていくと、茶褐色のわかめがびっくりするくらいきれいな緑色にみるみる変わっていきます。その上に木の芽を手のひらに取り、ポン!と空気圧でたたいてそれをよびさまし、うかべてでき上がりです。

器は土佐煮は小鹿田焼の尺皿を使いました。こういった野菜の煮物料理は、沖縄、鹿児島、小鹿田、小石原といった九州系の健康的な器が実によく合います。

若竹椀は、若狭椀か秀衡椀がベストチョイスですが、持ってないので恩納村の(照屋佳信氏)の器を使いました。踊るような躍動感のある模様が大変いいのですが、汁がはってあるので外側が見えないのが残念。想像しながら見て下さい。

最後に竹の子を料理の一番のポイントを書いておきます。

1.できるだけ採りたて、ほりたての竹の子を使う。(エグ味もなく甘く、ゆでる時間も早く、柔らかい。ぬかや唐辛子も使わなくて良いくらいです)

2.長さは30cmが基本。(それくらいの竹の子が歯ごたえが一番良い)

3.先の柔らかい部分は吸い物に、真中から下は煮物や炒め物に使って下さい。

それでは最後に質問です。竹の子と筍のちがい何でしょう?