手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

ホーム>連載・手仕事レポート>いただきます>かに寿し

いただきます

かに寿し

かに寿し

2012年1月7日
語り手:阿部一郎(たくみ割烹) / 写真:衣笠告也(願正寺)

鳥取を代表する駅弁として知られるかに寿し。実は私の祖父が昭和27年、世に出した寿し弁当です。

今年で還暦を迎えるわけですがこれを完成するには大変な苦労があった様です。3月の月日がかかりました。
一番の問題は冬の期間に漁れる松葉ガニを夏期の間、どうやって保存し美味しい状態で保たせるかということです。冷凍の設備もまだ無い時代、砂糖と酢の配分に一番神経を集中した様です。
大学の学者や研究者にまで相談した様ですが良い結果が得られず最後は自分で工夫して完成させたそうです。

小さい頃、よく祖父に聞かされました。
今一番気がかりなのはあの当時山のようにと漁れていた松葉ガニが昭和44年をピークに右肩下がりで10分の1以下になってしまいました。そのため価格は高沸し、かに寿しに使うカニは松葉ガニから紅ずわいガニへと移行せざるを得ませんでした。
だから昔の味を知っている年配ファンの方にとっては淋しい思いさせていると思います。

ここたくみ割烹ではできるだけ冬の時期は松葉ガニを使用し喜んで召し上がって戴く様努力しております。