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ウインザーチエアー

ウインザーチエアー

2017年5月10日
語り手:横山正夫

 ウインザーチエアーをご紹介します。
 ウインザーチエアーは、英国バークシャー州の土地の名前に端を発する椅子の総称です。その起源は定かではありませんが、18世紀頃に多くの棒を背に立てた形の椅子から発展したのではないかとされています。詳しくは池田三四郎さんの「民藝の家具」を参照して下さい。
 ウインザー型の椅子は英国で始まり、米国に広まり、庶民の椅子として、今日世界中で製作されて、利用されています。単純で美しく、使い勝手が良いことから、その伝搬はもっともだと思います。しかし、技術的には曲げ木、轆轤、斜めの足付けと難しい木工技術が組み合わされており、これらを全て満たしたウインザーチエアーは現在売られている中には少ないと思われます。
 本項では、1800年初頭の英国のウインザーチエアーと現代のウインザーチエアーをご紹介します。

 まずは、1800年初頭の英国のバウバックウインザーチエアーを7枚の写真で、ご紹介します。
材質はニレ材のようです。華奢でありながら、強度もあり、200年以上使い込まれた美しさがあります。


 次に、ご紹介するのは、松本民藝家具のバウバックウインザーチエアーです。
 材質は桜材です。曲げ木、轆轤、斜めの足の取り付け等完璧な仕事をしています。日本の職人の技は世界一と実感させられます。
 ただ、桜材の硬さ、重さ、職人の真面目で几帳面な仕事ゆえに、本来の英国ウインザーチエアーの持つ華奢で柔らかな印象が薄められ、堂々とした椅子に仕上がっています。私個人の希望としては、より柔らかい材質の木材を使い、足の開きも抑えた華奢なウインザーチエアーも作ってもらいたいと思っています。
 以下に、5枚の写真でご紹介しますが、この椅子は約40年前に私が求めた物で、座板を一枚板で製作してもらいました。40年使用していますが、何処にも故障はなく、職人の腕の確かさには感服します。これが、200年後位にほどよい風合いの椅子となるのでしょう。

 

 最後に、松本民藝家具製で、同じく40年に渡って自宅で使用している別の形のウインザーチエアーをご紹介して、本項を終わります。同じくこの椅子も40年間全く変わらずに私の生活の友となってくれています。