手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

ホーム>連載・手仕事レポート>昔の物 今の物>柱時計

昔の物 今の物

柱時計

柱時計

2009年8月18日
語り手:横山正夫

どこの家庭にも柱時計があります。生活必需品と言ってよいでしょう。

しかし、現代の柱時計は技術の進歩から、正確であることは間違いありませんが、日々の生活に潤いを与える存在となっているでしょうか。プラスチックを多用し、過度にきらびやかな意匠の物ばかりが、まかり通っています。

昔の柱時計はまさに全てが手仕事の世界でした。明治初期、太陽暦を採用した日本は、まず外国から柱時計を輸入しました。当然、その初期は高価なもので、庶民には高嶺の花の存在でした。地方の旧家に行くと今でもガラスケースに入れられた柱時計を目にしますが、まさに往時の高価さを想像できます。

その後、日本では、機械のみを輸入し、外装(外箱)を自製するようになり、ついには機械も自製するようになりました。日本は木工の技術は世界一と言っても過言ではなく、柱時計の分野でも、様々な意匠、塗りの製品が作られました。この柱時計の外装が現代の柱時計に受け継がれていないことが残念でなりません。

以下に時代を追って昔の柱時計をご紹介します。

まずは、幕末、明治初期にアメリカから輸入された柱時計を二点ご紹介します。機械も外装もアメリカ製です。

次に明治初期のドイツ製の柱時計を三点ご紹介します。柱時計はアメリカとドイツから主に輸入されました。このドイツの時計は機械のみを輸入し、外装は日本で作られました。黒漆がよく似合います。

最後に大正期の日本の柱時計を一点ご紹介します。いかにも日本の木工と言える木地呂漆の製品です。シンプルで貴賓があります。

今の柱時計にこれらの貴賓、美しさを求めることは無理なのでしょうか。
昔の手仕事の流れを汲む現代の柱時計の出現を期待します。
ちなみに、昔の柱時計は機構がシンプルであるため、現代でも十分に実用になります。