手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

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昔の物 今の物

コーヒーカップ

コーヒーカップ

2010年5月11日
語り手:横山正夫

 昔の物 今の物の表題からすれば、それぞれの時代の作品をご紹介して、その対比から現代の手仕事の応援をすることが、表題の役目と考えています。しかし、これまでご紹介してきた各項でもお分かりと思いますが、生活様式が変わり、現代ではもう作られていない物も多々あります。そのため、やむなく一方の時代の作品のみをご紹介せざるを得ないこととなります。致し方ないこととご了解下さい。そして、その一方の時代とは、現代の手仕事の応援の意味からは、いきおい昔の物のご紹介が多くならざるを得ません。
 ただし、いつも昔の物ばかりでは、面白くありませんので、本項では、一方の時代の物として、昔の物になくて、今の物として、重要な位置を占める、コーヒー(紅茶)カップをご紹介します。
コーヒーカップは昔からあったではないか、と異議を唱えられる向きもあろうかと思いますが、ここでご紹介するコーヒーカップはマイセン等の外国の陶磁器や明治以降の日本の磁器を比較の対象とするのではなく、あくまで、手仕事としての焼き物の世界での対象です。
 手仕事としてのコーヒーカップは明治以降に制作が始まった物で、日本の旧来の伝統的な形がありません。そのため、いろいろな形態のコーヒーカップが作られています。現代民窯でも多種多様の物が作られていますが、使い手としては、やはり、洗練された美しさを持つコーヒーカップを選びたいものです。
 以下に筆者の個人的見解で選んだコーヒーカップをご紹介します。
 
まずは磁器のコーヒーカップです。磁器の美しさ、面取りの鋭さが見所でしょう。

 次にご紹介するのは出西のコーヒーカップです。シンプルに白掛けしただけのカップですが、高台からのシャープな削り、口辺にまで上がる反りがバランスよく処理されています。このカップは使えば使うほど味が出てくると思われます。

 最後にご紹介するのは小鹿田のコーヒーカップです。この稿を見て下さる方は小鹿田をよくご存じだと思います。そして、そうだとすると、小鹿田の他の作品の先入観でこのコーヒーカップを見ていませんか。産地も知らずに、このカップを見た時、どの様に感じるでしょうか。筆者は、明るくスマートで全体のバランスも良い、持ち手も使いやすそうだ、と感じました。

 以上でコーヒーカップの稿を終わりますが、現代に生まれる品物は用に即したデザイン、そして、これを製品にまで結びつける、良き指導者の存在が不可欠であると感じました。