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沖縄焼き物の独自性

沖縄焼き物の独自性

2011年2月18日
語り手:横山正夫

 沖縄は、歴史的見地や地理的位置から見て、本州、九州、四国とは異なる独自の文化、生活様式を持って、発展してきました。歴史的見地については、ここでは省略させて頂きますが、独自の王朝のもとに中国文化の影響をを色濃く残していると言って良いと思います。
 沖縄の焼き物が日本の他の地方の焼き物と大きく異なる意匠、形、品物が存在し、今も作られている背景には、上記の原因があります。
 以下に沖縄焼き物の独自性を示す作品をご紹介します。

 まずは、沖縄独自の宗教上の風習として、洗骨があります。死者のご遺体を安置し、数年後にお骨となった後に、これを洗い清め、骨壺に収める風習です。この送葬の方式は亀甲墓(カメコウバカ)と結びつき、また骨壺は厨子甕(ジーシガーミ)と結びつきます。中国南部から台湾を経て沖縄にもたらされた送葬の方式です。現代ではこの洗骨の方式は行われていない様ですが(洗骨は長男の嫁が行うこととされ女性の人権とも絡み、あまりに過酷との主張が原因とも言われています)厨子甕は現代でも作られています。
以下に金城次郎さんの厨子甕2点をご紹介します。


 次ぎに、亀甲墓には生花をお供えしますが、その花瓶として、沖縄では、多数の瓶類が作られました。この亀甲墓のおかげで、多数の美しい瓶類が生まれたと言っても過言ではないと思います。なお、この亀甲墓の花瓶には多数の初期伊万里の瓶も使用されており、これまた、この墓のおかげで初期伊万里が現代までも残っていたとも言えます。以下に対瓶を2点ご紹介します。


 次ぎに、祭祀を離れ、沖縄の生活上独自の品々をご紹介します。
まずは、シーサーです。シーサーとは、魔除けのために家の門柱や屋根に飾る伝説の獅子を言います。漆喰、石材や陶器で作ります。そして、陶器で作る場合も荒焼の物と上焼の物があります。ここでは上焼の作品をご紹介します。

 次ぎに、石敢頭です。石敢頭とは、通りの角に立てられ、道の邪気を払う魔除けです。石材で多く作られます。焼き物ではありませんが、下にご紹介する石敢頭は上記のシーサーと石敢頭を兼ねたようなユーモラスな作品としてご紹介します。

 家の中に入ります。按瓶(アンビン)と耳甕(ミンガーミ)をご紹介します。按瓶は、手付きの大型土瓶で、釜に水を入れる水差として使われました。耳甕は、肩に丸輪を付けた壺で、台所に吊して油を入れておく壺です。以下に按瓶2点と耳甕1点をご紹介します。

 まずは按瓶です。


 次は耳甕です。


 最後に模様の面から沖縄の独自性をご紹介します。


 沖縄の独自性を語るにはまだまだ語り尽くせないほどの独自性がありますが、本稿でその一端でもご理解頂ければ幸いです。なお、ご紹介した作品は昔の物と今の物が混在しています。こうして見ると、昔、今を分ける必要はないほど現代の沖縄の作品には良い物があるとも言えると思います。