手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

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くらわんか碗

くらわんか碗

2011年5月15日
語り手:横山正夫

 くらわんか碗とは、江戸時代大阪淀川を往来する三十石船を相手に酒食を提供していた小舟が用いた器からこの名が付けられました。
この小舟は「くらわんか」と叫びながら商いをしていたのが、その由来です。
 しかし、その用いられた器は大阪の産ではありません。遠く佐賀県の有田からもたらされました。おそらく18世紀に入って、有田で磁器の大量生産が始まり、有田周辺にこのような雑器を作る窯ができ、庶民にも磁器を使用できる時代が到来したと言うことでしょう。
 磁器に呉州で絵を描きます。庶民が手荒く使っても大丈夫な様に厚手で、かつ大量に作るため、その絵付けは素早く流れるような筆さばきで描かれています。まさに陶磁器の絵付けの美を表しています。
 上の作品とともに以下に三点のくらわんか碗をご紹介します。

 以上四点は有田周辺の窯で大量に生産されたくらわんか碗ですが、以下に少し上手の碗をご紹介します。おそらく有田の旧来からの窯の製品と思いますが、器そして絵付けの繊細さ、線の伸びやかさが魅力で、くらわんか碗とはまた違った美しさがあります。

  有田及びその周辺で生産された雑器をご紹介しましたが、もう一つ有田周辺で生産された輸出用の雑器として、コンプラ瓶があります。

 これも大量に生産された有田周辺の窯の製品として記憶されるべきものでしょう。日常雑器として、このような物を使用できたことを羨ましく思います。