手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

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紅型

紅型

2012年9月6日
語り手:横山正夫

 紅型は、沖縄独自の染め物です。南国をあらわす鮮やかな色彩、独特の模様が沖縄の人々のおおらかさ、明るさを表します。その成立の由来、成立時期等は諸説あるようですが、ここでは唯々作品を見て頂き、それぞれに感想を持って頂ければ良いのではと思います。
 ご紹介する作品は、いずれも江戸中期以降明治頃の紅型裂です。

 最後の二点は麻布に筒描き、その他は木綿布に型染めです。天然の染料、顔料を使い、それぞれ原色に近い組み合わせで南国沖縄の明るさ、大らかさを表しています。
 色彩、模様等と相まって、いかにも民藝の世界を表すかの紅型ですが、現実には、紅型は王家や士族しか着用を許されず、庶民は藍型を着用していました。また、紅型の中でも王家や上流階級だけに許された模様や地色があり、一般庶民は苧(からむし)や芭蕉布、木綿の藍型を着用していたと言われています。
 沖縄独自の鮮やかさ、大らかさ、さして南国の強烈な気候を表しながらも、どこかホノボノとした暖かさ、遊び心をそなえた昔の紅型に限りない安らぎを感じます。しかし、昔の紅型は沖縄を表現する素晴らしい工芸品ですが(現代の紅型が昔の姿を取り戻していないことは、また別論です)、昔も今も紅型は民藝と呼べる物ではないのでしょう。