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茂木さんの尺皿

茂木さんの尺皿

2013年2月18日
語り手:横山正夫

 小鹿田の坂本茂木さんの尺皿をご紹介します。
 茂木さんは言わずと知れた歴史に残る名工です。これまで茂木さんの作った名品の数々は折に触れ、種々の媒体で紹介されてきています。大きなラッキョウ壺等魅力に富む作品もありますが、茂木さんの本業は日常雑器の制作にあります。毎日同じ形の品物を大量に作って来ました。この大量に作ることにより、まさに無心の心で素晴らしい作品が生み出されて来ました。そして、この無心の中に作り手の個性が表れています。
 本項では、茂木さんの原点である大量生産の尺皿から、歴史に残る名工の技を感じて頂きたいと思います。
 まずは、筆者が茂木さんの最高傑作とも考えている一枚をいろいろな角度からの写真でご紹介します。

 飛び鉋のごくありふれた小鹿田の尺皿ですが、シャープな轆轤、縁の締まり、流れるような飛び鉋、そして、強還元で焼かれた肌等々どこを採っても最高の尺皿だと思います。皆様はどのように感じられるでしょうか。

 次ぎに、無心の中から生まれた茂木さんの尺皿を何点かご紹介します。これらの作品も上にあげた作品に劣らず味わいがあります。なお、一枚目のみ皿裏の写真をご紹介し、二枚目からは表のみでご紹介します。これらの尺皿を見て、刷毛目、櫛描き、飛び鉋の技法だけで、これだけ多彩な表現が出来ることに驚かされます。そして、どの皿も落ち着きを持っています。これは卓越した轆轤技術による皿の形状、そして、刷毛目、櫛描き、飛び鉋の流れるような手さばきにその源があると思います。

 以上、坂本茂木さんの尺皿をご紹介しましたが、繰り返し作る雑器の中に素晴らしい作品があることを再認識して頂けたら幸いです。金額が高い物が素晴らしい物ではありません。