手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

ホーム>連載・手仕事レポート>昔の物 今の物>繪本どんきほうて

昔の物 今の物

繪本どんきほうて

繪本どんきほうて

2013年8月14日
語り手:横山正夫

 型染作家芹沢C介の仕事は多岐にわたり、勿論布染めの着尺、帯、暖簾等の制作が主な仕事と言えますが、他方、本の装丁や繪本の制作も重要な仕事であったと思われます。
 芹沢C介は、昭和6年に始まる雑誌「工藝」の型染めによる装丁、そして、式場隆三郎、川端康成、寿岳文章等の著作の装丁等を経て、昭和12年3月に「繪本どんきほうて」(日向庵版)を刊行します。芹沢刊行本としては、その前年に刊行された「わそめゑかたり」が第一作となり、「繪本どんきほうて」は第二作となりますが、「繪本どんきほうて」の制作依頼は昭和9年に寿岳文章を通じて、米国人カール・ケラーからなされており、その制作途中で作られたのが「わそめゑかたり」であり、真の第一作は「繪本どんきほうて」と言ってよいでしょう。
 そして、この「繪本どんきほうて」こそが芹沢C介の代表作といっても過言ではありません。装丁、造本、合羽刷りの繪等どれをとっても素晴らしい出来映えです。ここではその装丁、造本そして合羽刷りの繪をご紹介します。

 昭和12年当時は和紙への型染めが完成に至らず、合羽刷りで制作されていますが、芹沢は、その後の昭和18年に和紙の型染めを完成させ、その後の作品は型染めになりました。
 「繪本どんきほうて」刊行から38年を経た昭和50年、東京民芸協会機関誌「民藝手帖」二〇〇号記念として、型染めの「どんきほうて」が150部(番外25部)限定で発売され、翌年「新版どんきほうて」が限定185部で発売されました。以下に上の作品と同じ図柄の38年後の型染め作品をご紹介します。