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平佐の磁器

平佐の磁器

2013年10月16日
語り手:横山正夫

 平佐の磁器をご紹介します。
 日本における磁器の産地はそれほど多くありません。会津、瀬戸、出石、砥部そして伊万里等が磁器の産地として挙げられます。薩摩(鹿児島)においても、朝鮮陶工の流れを汲む苗代川、龍門司等が現代までも営々と伝統を受け継ぐ仕事を続けていますが、いずれも陶器を焼く窯です。現代では、衰退してしまいましたが、江戸中期に起こり、明治の初めまで存在した薩摩の磁器、平佐窯を忘れてはなりません。
 平佐は伊万里の技術を学び、天草の陶石を使用した磁器で、白無地や呉州で草花等の模様を描きます。また、後期には赤絵の作品も作りました。
平佐磁器は天草白磁に山呉州そしてイス灰による透明釉薬により、えもいわれぬ白磁の美しい姿を現します。筆者個人の感想としては、その美しさは伊万里白磁を超えるのではと思っています。
以下に、平佐磁器を写真でご紹介します。
 
一番目は呉州白磁草花文徳利です。白磁の美しさ、呉州の色合い、模様の柔らかでのびのびとした筆使い等々、まさに民藝の美を現します。

 二番目は呉州白磁からからです。平佐のからからの伝統的な形です。現代にも通じるモダンな絵付けで、時代を感じさせません。

 三番目は白磁の小土瓶です。これも平佐独特の形です。白磁の美しさ、形の可憐さが魅力です。

 四番目は白磁赤絵小土瓶です。赤絵で金魚を描いた物でしょうか、美しい白磁の機体に映える赤絵です。平佐は日用雑器を焼く窯ですが、この作品は多少上手の物でしょう。

 最後も白磁赤絵小土瓶です。前の作品より赤絵が雑ですが、美しい白磁、そして愛らしい機体の上に描かれ生き生きとした作品となっています。蓋が供蓋ではないのが残念ですが、写真の呉州繪の蓋でも違和感はありません。

 以上、平佐の作品をご紹介しましたが、平佐には同じ磁器でも伊万里にはない独自の美しさを持っていたと思います。伊万里より日用雑器に重きを置いていた平佐が衰退したことは残念でなりません。