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東北の人形

東北の人形

2014年2月12日
語り手:横山正夫

 東北の人形をご紹介します。
 日本全国に郷土人形と言われる人形が存在します。江戸時代、京都の伏見人形がそのルーツと言われています。江戸の安定した世の中で、庶民の生活も豊かとなり、当初は信仰の対象として寺社を中心に天神様、お地蔵様、恵比寿様等が作られ、庶民に頒布されたのでしょう。そして、これが日本全国に伝わり、各地に特色のある郷土人形が作られるようになりました。各地の人形は、寺社を離れ、また信仰を離れて、庶民の生活に則した様々な人形が作られるようになりました。
 東北地方でも、堤、米沢(相良)、花巻を中心に各地に郷土人形が発生しました。また、東北で忘れてならないのが土人形ではない三春人形です。本稿では堤、相良、花巻の昔の人形をご紹介すると供に現代の三春人形をご紹介します。

 まずは堤人形です。

「翁」

江戸期の作品で赤は蘇芳、黄は石黄を使って彩色しているのでしょうか、色合いが何とも言えない雰囲気です。

「鯉の滝登り」
 これも江戸期の作品です。色合いの素晴らしさ、力強い造形が見所です。

「五人囃子」
 これは明治期の五人囃子です。郷土人形が「雛祭り」と深く結びついて発展したことがうかがわれます。

 次ぎに、相良人形をご紹介します。他の郷土人形が各土地の産地を表示するのに対し、米沢の郷土人形だけはその創始者である相良家の名を取って、相良人形を名乗ります。作家に近いのか、他の郷土人形より顔の磨き等洗練さを感じます。

「獅子舞」
 江戸期の相良人形です。顔の優雅さ、色合いの美しさが見所です。

「内裏雛」
 相良人形は現代も相良家によって制作が続けられています。この内裏雛は現代の作品ですが、その評価は皆様の感じる所にお任せします。

次ぎに、花巻人形をご紹介します。

「髪結い」
 江戸期の人形です。化学合成の絵の具では出せない落ち着いた色合いです。

「武者」
おそらく明治期の作品と思われますが、存在感があります。

 最後に現代の三春人形をご紹介します。三春人形は和紙を木型に貼り付けて機体とし、これに彩色をほどこします。ユーモラスな形、鮮やかな色彩が現代生活に彩りを与えます。

「内裏雛」

「舞女」

「福腹出前」

 以上、郷土人形をご紹介しましたが、もとより、人形は生活必需品ではありません。しかし、昔から信仰、風習、祭り等と結びついて庶民の生活の中にありました。いつの時代も人間は生活に潤いを求めるものであり、現代生活においても座右に気に入った人形でも置きたいものです。