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相馬と成島

相馬と成島

2014年3月12日
語り手:横山正夫

東北の相馬焼と成島焼をご紹介します。
相馬焼は元禄年間に福島県相馬の大堀で始められた民窯です。相馬焼には藩窯の中村相馬焼が別にあります。相馬焼は一度衰退の後に再興されましたが、東日本大震災の原発事故により、強制退去地域となり、苦難の道を歩んでいます。ここでは過去に相馬で生み出された素晴らしい山水の作品を三点ご紹介し、東北の復興および相馬焼が再び蘇ることを祈ります。

 まずは、山水土瓶です。信楽から相馬そして益子へと続く山水模様です。手慣れた鉄繪、青と飴の筆さばきが魅力です。機体の形、落とし蓋、鉄繪の線から益子の山水土瓶より繊細さを感じます。二点の作品をご紹介しますが、一点目は裏表を、二点目は表のみをご紹介します(右利きが一般ということなのでしょうか、右手で土瓶の弦を持った時に客人に見える側すなわち注ぎ口が右にある側を表として、絵付けが豪華になされています)。

 二点目は表のみをご紹介します。一点目の作品と同様の技法ですが、胴に回した二本線を高い位置にとり、その上側半分に繊細な絵付けを施します。これだけで一点目の作品とかなり異なる印象の作品となっています。

 相馬焼の最後の作品は山水の徳利です。大ぶりの徳利の機体いっぱいに山水を描きます。大徳利に絵付けをした徳利としては、山陰地方の物が有名ですが、この徳利はそれにも勝る物と思います。

 次に、成島焼をご紹介します。成島焼は山形県米沢の焼物で、上杉鷹山が藩の殖産興業のため、相馬焼の技術を導入して始められたと言われています。質実剛健な焼物で、絵付けは一切なく、飴、黒、海鼠のみで化粧をします。単純ですが、その機体の骨太さと相まって、どこにも負けない魅力を持っています。 まずは、成島焼の独自の形と言って良い切立の甕二点をご紹介します。
一点目は高さ32センチ、径23センチを大甕です。黒釉薬の機体に海鼠釉薬を上半分に掛けます。胴の僅かな絞りと供に安定した美しい姿を作り出しています。

 二点目も成島焼の特徴を良く現した切立の甕です。本稿NO.23でご紹介しましたが、飴に近い黒釉薬のみの作品です。どんなに華燭をした作品でもこの作品には敵わないのではないかと思います。

 最後に、成島焼の大片口をご紹介します。この作品も本稿NO.28でご紹介しましたが、同稿の写真が横に縮小されてしまい、正しい形となっていなかったため、再度正しい形でご紹介します。NO.28の誤った形と下の正しい形と比べて頂ければ、この大片口が安定した美しい形であることをご理解頂けると思います。

 以上、相馬と成島の焼物をご紹介しましたが、地方には独自の特色を持った焼物が沢山有り、地理風土歴史と絡めてその焼物の成り立ちを見ると興味が尽きません。