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漆繪盆

漆繪盆

2014年5月28日
語り手:横山正夫

 漆繪のお盆をご紹介します。
 お盆の用途は昔も今も変わりません。物を運んだり、置いたりする際に、下に敷く敷板的用途とでも言えば良いでしょうか。現代では味気ないプラスチック製であったり、木製でも無地の物がほとんどです。お盆に限って言えば、昔の方が華やかで美しい物を使用していたのではないかとも思えます。この原因の一つには漆塗りが庶民の生活から離れ、高級品のみが生産されるようになったからではないかと考えられます。現代でも輪島塗りを代表とする蒔絵、沈金等には漆繪のお盆も存在します。しかし、庶民が日常使用するお盆にはほとんど漆繪は存在しません。なんとか現代にも素朴な漆繪のお盆を復活させたいものです。


 本稿では昔の漆繪のお盆をご紹介します。

まずは南部箔盆です。三つ足の付いたお盆で、当時も高級品であったと思われますが、その意匠、伸びやかな筆遣いは大量生産の職人の手になるものでしょう。表裏二枚の写真でご紹介します。

 次にご紹介するお盆は朽木塗りの大盆です。尺二寸ほどの大盆いっぱいに大胆に漆繪を描きます。明るい色使い、伸びやかで生き生きとした線は昔の人々の明るく逞しい生活を想像させます。

 次のお盆は産地が不明です。二大産地、浄法寺、朽木とも縁の作りが異なります。縁の朱、見込みの黒の中に、笹竹を一部にあしらいます。黒の余白を利用した素晴らしい意匠です。

 以上の三枚のお盆はいずれも尺二寸の大盆です。この大きさが使いがっての良い大きさであったのかもしれません。

 次のお盆も産地は分かりません。八寸ほどの大きさですが、雅味のある漆繪が描かれています。簡単な線描きですが、お盆に優しさを与えます。

 最後のお盆は長さ七寸ほどの角盆です。これも産地が明らかではありません。漆繪には草花文が多い中このお盆は人物を描いています。素朴な機体、素朴な漆繪に魅力を感じます。

 以上、漆繪のお盆をご紹介してきましたが、庶民の漆繪は何らかの形で復活させたいものです。