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金継ぎ

金継ぎ

2014年7月30日
語り手:横山正夫

 金継ぎをご紹介します。
 割れたり、欠けたりした陶磁器はどこか寂しげです。生まれ出た時の生き生きとした姿から一転消えゆくものの悲哀を感じます。傷を受けた陶磁器の補修は洋の東西を問わず行われてきました。しかしその補修方法は様々で、西洋では傷がなかったかの外観に仕上げる補修が、また、中国では金属の鎹(かすがい)で繋ぐ方法などが行われてきたと言われています。一方日本では漆を接着剤に用いて傷を直すことが昔から行われており、後に蒔絵の技法を取り入れて、金銀の粉を蒔いて仕上げをするようになりました。これが金継ぎと言われる所以です。そして、この金継ぎが、西洋の補修と大きく異なるのは、補修を補修として、目立つ外観そのものを新たな品物の美として捉えているところにあると思われます。
 貴重な陶磁器を後世に残すため、愛着のある陶磁器を手元に残すため、はたまた、日常使っている食器の傷直しにも金継ぎは陶磁器を蘇らせ、生き生きとした姿を使用者に見せることとなります。
 本項では金継ぎの例を写真でご紹介します。
 
まずは益子の濱田庄司(敬称略)の鉄繪鉢です。真っ二つに割れて、ボンドで接着してありました。金継ぎによって、濱田庄司の作品と呼べるものに戻ったと思いますが、いかがでしょうか。

 同じく濱田庄司の赤繪湯飲みです。内一つの口に欠けがあります。

 河井寛次郎の呉州イッチン湯飲みです。

 次の写真は初期伊万里の徳利です。ここまでの破損では、勿論鑑賞の対象ともならず、初期伊万里の価値を知らない人の元にあれば、捨てられてしまったでしょう。しかし、この徳利を修理すれば、美しい初期伊万里の姿が蘇ります。

 同じく初期伊万里の鎬杯です。

 次に唐津の徳利をご紹介します。この徳利は首から上部を機械で切断し、切断面を磨いてありました。切断面を磨けば実用になるためだと思います。しかし、これでは唐津の徳利が泣いていると言わざるを得ません。昔の唐津徳利の口部の形態を調べ修理をしたのが二枚目の写真です。

 最後に黄瀬戸菊型鉢の修理をご紹介します。金の修理箇所が一つの景色となって、完品とは異なる美を現していると思います。