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李朝の雑器

李朝の雑器

2015年3月4日
語り手:横山正夫

 李朝の日常使いの焼き物をご紹介します。
 李朝とは、西暦1392年から1910年までの510年間の時代をさします。この長きにわたる時代の焼き物の変遷を本項で語ることは出来ません。国家主導体制で始まった李朝陶磁も時代を経て、民需品を生産する地方窯も多数存在するようになりました。
本項では、その地方窯の作品をご紹介します。
 
 まずは、飴釉薬の面取り壺4点をご紹介します。李朝後期に大量に生産されたものです。いずれも磁器生地で、胴体部分を厚めに轆轤引きし、面を取り、鉄釉薬を掛けます。機体の形状、面の取り方にそれぞれ個性が有り、どれをとっても味わい深い趣があります。また、鉄釉薬もその鉄分の多寡、焼成の具合で飴から黒と様々な色調に変化します。
 これらの面取り壺は元々蓋が付いていたものと思われますが、長い旅の途中でなくなった物がほとんどです。形の大小があり、その用途は多様であったと思われます。
 しかし、説明は二の次に、まずは先入観なく物を見て頂きたく存じます。

 次に、李朝の「塩笥」類を3点ご紹介します。塩、油等を入れた壺です。
 
 一点目は粉引きの陶器壺です。

 2点目は鉄砂の陶器壺です。

 3点目は鉄分のない陶土に透明釉薬を掛けただけの壺です。油を入れて使用していたのか、今でも油の匂いがします。形の美しさは正に李朝の壺です。

  以上、李朝の日常使いの焼き物をご紹介してきましたが、筆者は、李朝の飾らず、素朴で力強い姿に、他にない独特の魅力を感じます。