手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

ホーム>連載・手仕事レポート>昔の物 今の物>佐久間藤太郎

昔の物 今の物

佐久間藤太郎

佐久間藤太郎

2015年11月14日
語り手:横山正夫

 益子の佐久間藤太郎さんは、ご存じの通り、濱田庄司がイギリス留学から帰国して益子に入り、最初に寄寓した窯元です。二人は年齢も近く、濱田は旧来からの益子の窯元の援助、藤太郎さんは新しい焼き物の吸収と、お互いに助け合える関係にあったと思われます。
 濱田庄司は、その後益子を拠点に民藝陶器を世界に知らしめ、益子も民藝陶器の里と見られるようになりました。藤太郎さんも濱田の感化のもとで益子の窯元であると供に民藝の作家となりました。生前、高島屋等で個展も行っていましたが、藤太郎さんの魅力はやはり、旧来から益子で使用されていた土、釉薬を使用した日常使いの陶器にあると思います。本項では藤太郎さんの日常使いの陶器をご紹介します。
 
 まずは酒器揃いです。呉州、柿釉薬、地釉薬いずれも益子で昔から使われてきた材料のみで作られています。

 次の作品は茶器揃いです。形、模様に濱田庄司の影響が見られますが、窯元の職人でもある藤太郎さんだからこそ出来る轆轤のうまさを感じます。

 次の作品は角皿です。益子の材料のみで作られ、蝋抜きを使っています。技巧に走らず、益子の焼き物の健全な姿を現している作品だと思います。

 次の作品は花生けです。益子の柿釉薬に飴釉薬を流します。何でもない花生けですが、形の確かさの上にふされた柿釉薬が落ち着きを与えます。

 以上、益子の佐久間藤太郎さんをご紹介しました。現在、益子には多数の作家が活動していますが、おそらく益子の最初の作家は濱田庄司そして佐久間藤太郎さんではないかと思います。益子を理解する上でも佐久間藤太郎さんを忘れることは出来ません。 なお、佐久間藤太郎さんのピッチャーを本項NO.14で、湯飲みをNO.86でご紹介しています。