手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

ホーム>連載・手仕事レポート>昔の物 今の物>新垣栄三郎さんと小橋川永昌さん

昔の物 今の物

新垣栄三郎さんと小橋川永昌さん

新垣栄三郎さんと小橋川永昌さん

2016年1月24日
語り手:横山正夫

 新年第一回の本項では、華やかに赤繪をご紹介します。
 沖縄民藝陶器の現代の流れは、金城次郎さん、新垣栄三郎さんそして小橋川永昌(二代目仁王)さん(以下敬称略)の三人の功績によるものと言っても過言ではないでしょう。いずれも濱田庄司、河井寛次郎等の民藝指導者に接し、直接薫陶を受けた人々です。現在では、人間国宝の認定を受けた金城次郎のみが沖縄陶器を代表するかのごとく、その影響を受けた陶器が主流を占めているように思われますが、新垣栄三郎、小橋川永昌を忘れてはなりません。
 本項では、お二人の赤繪の仕事をご紹介します。
 
 まずは新垣栄三郎です。
 赤繪の抹茶碗です。白掛けした器胎に可憐な赤繪を描きます。濱田庄司さんの沖縄での作品は新垣窯で行ったため、その雰囲気が似ています。

 次の作品は赤繪抱瓶です。沖縄の伝統的な文様を描き、器胎全面を緑で被います。全面に赤繪を付すと、とかく下卑た物となりがちですが、この作品は、すっきりとした高貴さを漂わせています。昔の物に勝るとも劣らない作品であると思います。三枚の写真でご紹介します。

 次の作品も赤繪の抱瓶です。既に本項NO.47でご紹介した作品ですが、上の作品との対比で新垣さんの赤繪の素晴らしさを知って頂きたく再度ご紹介しました。

 次の作品は赤繪の六寸程の皿です。明るい沖縄をイメージさせる一枚です。

 新垣さんの最後は、当時の新垣窯の組碗です。薄手で堅牢な作品です。赤繪は二本の線描きのみですが、この赤が入ることによって、作品の雰囲気をがらりと変えて、華やかな作品としています。

 つぎに、小橋川永昌の作品をご紹介します。
 まずは赤繪抹茶碗です。新垣さんより赤繪の線の荒々しさがありますが、自由にのびのびとした雰囲気を感じます。

 次の作品は赤繪の徳利です。金城さんにはない大人しく可憐な、また沖縄らしい雰囲気を持った徳利です。

 次の作品は本項NO.47でご紹介したビールジョッキの反対面です。無骨な持ち手と供に明るい赤繪がいかにも沖縄らしさを現しています。

 次の作品は、当時の仁王窯の作品です。形の美しさ、赤繪の描き方の素晴らしさ等、現代の沖縄陶器と比べ考えさせられる所があります。

 最後の作品も仁王窯の作品です。現代も仁王窯で作り続けられている作品であると思います。器胎全面に赤繪を付し、沖縄らしい元気で明るい壺です。

 以上新垣栄三郎さんと小橋川永昌さんの赤繪をご紹介してきましたが、沖縄の焼き物がお土産物に落ちることなく、金城さんを含めて、この三人を超える工人が今後も出てくることを期待しています。