手仕事フォーラム〜手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを

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隠岐國風土記

情報産直

情報産直

2010年9月22日
語り手:田中浩司

会社のブログを初めて、そろそろ3年。島の「なう」を深く内外に発信する唯一無二のブログになった。いつも行くガソリンスタンドの奥さんが見てたり、地元の友達も教えてないのに見てたり、先日お茶の席でご一緒した方も見てたり…と、その幅の広さに本当にびっくりです。

 

この先、ソーシャルメディアは「おひさりさま」(配偶者死別によるシングルアゲインもシングルです)の強力な見方になると踏んでいるので、毎日生きている、何かしている、という情報を発信しておくと、「便りがないのは病気かも?」という気を遣ってもらえるようになるだろうし、実際オンライン上ではそういう気遣いがあります。その上、「国境お構いなし」なので、海外の友達の消息も一目瞭然。これは凄すぎる。今は昔と違ってブログやソーシャルメディアの操作は簡単で、ホームページみたいに更新するのに専門家がいらない。ブログなどのある程度のカスタマイズまでは普通の文章読解力があれば、誰でも出来るようになりました。HPのhtml入力の時代を知っている人間としては隔世の感。10年でこんなに変わるなんて誰が想像したでしょう?10年前はホームページがあれば良しとされていた時代です。軍事目的で開発されたインターネットは、いまや個人の人生台帳・アクセスポイントの役割まで果たしている…。

 

と、ちょっと話がそれてしまったけど、手仕事フォーラムだって、更新がずっとなかったら解散したのかと思われるでしょう?それと同じです。久野さんや副島さんが気を張りまくって、更新を続けているのです。それにヒントを得たのが、会社のブログ。存在する限りは発言しなければ!ということで、日々何が「情報」になるかアンテナをぐるぐる張り巡らせているのです。

 

最近話題になったことをいくつか書いてみると、例えばチカメキントキという魚のこと。島では「キンメダイ」「アサヒ鯛」とも呼ばれていて、魚屋のシールも「キンメダイ」。しかし、太平洋のキンメダイではなくて別物。魚を獲って送ることから、どうやってお店で提供されるのか一部始終が文字通り目に見える形で紹介しているので、島の漁師さん達も結構欠かさずに見ているとか。管理だけが目的のトレーサビリティーではここまではできない。これまでは魚を獲って終わりだった仕事が、その先の結果、消費者までちゃんと見えるようになったので、責任も大きい。漁師さんの名前や船もしっかりと紹介しているので、随分心持ちも変わってきたみたい。

 

また別の話題では、島に初めてクロネコヤマトの営業所ができたこと。これまでクロネコの営業所がなかったので、本土行きの集荷は午前10時に一回だけという非常に厳しい状況だったのが、海士町の営業所が出来たことで持ち込みで15時まで出せることになった。これは大きい。営業所持ち込みという見慣れた都会の風景が島にもやってきて、はじめて営業所持ち込みしたときは「仕事してる感」に浸ってしまったほど。

 

出張中にはいろいろな動きが出てくるので、これには携帯から更新できるツイッターで対応。ツイッターをどうやって使うのかわからない、という上司に「メールできますよね。ならできます」と押し切って導入。メディア空間っていうのは見ているだけではなく、参加することで見たり、経験できる部分もあるのです。もうそれはわかってもらってるので、仕事を終えて気楽にツイートしてるようです。

 

ブログとツイッターを備えた「情報産直」で、24時間いつでもどこでも情報発信が可能。最近では白いか漁の出漁状況もツイッターでやりとりしていて、プロデューサーとしてはなんだか微笑ましい。

これまで船が出るかどうかチェックしてなかったので、突然の入荷にパニックになってたけど、これなら即時チェックできるし、計画も出来る。メディアなんて使い方次第です。もちろん、メールでも良いけれど、いろんな人に見てもらわないと情報産直の意味がない。「生産者の声を伝えます」みたいな時代遅れの代弁役はもう完全にお払い箱です。

 

自画自賛のようだけど、ここまでやっている地方企業はなかなかないと思います。お世辞でも「進んでますね」と声をかけて頂いたり、「参考にしました」と都会の会社から言ってもらえるの結構嬉しい。都市の会社でも全然メディアが使いこなせてないところはいくらでもありますからね。

 

もっとも万事オッケーというわけではなく、誤字や読みにくい文章を修正するのもなかなか手間ではあります。しかし、語学の上達は訓練の中にしかない。書くという技能もまた長い時間を必要とします。英会話と同じで、恥を恐れてしゃべらない人よりも、恥を恐れずしゃべろうとする人の方が絶対上達していく。それと同じで、恥を恐れず文を書こうとする人しか文章も上達しない。小さな社会なので、文章の善し悪しをあれこれ言う人が多いのもよくわかっているけど、単なる読者に過ぎない彼らはそもそも批評できる立場にいないことに気が付いていないのです。

 

twitterアカウントは、furusatoama です。興味のある方はどうぞ。